ジェンダーに関心をもったきっかけ
ジェンダー問題を意識するようになったのは、私の失敗からでした。
(これからの話は、実際にあった出来事が伝わる範囲で、内容を変えています。)
数年前。キティちゃんが大好きな子の話をしている人がいて、私もそこに入っていました。キティちゃんは私も大好きなので、推しの可愛さをたくさん共有したいと思って話しました。
そのあとで、その「キティちゃんが大好きな子」が男の子であることを聞いて。
私は、「えっ、男の子!?」と大きな声で驚いて言ってしまいました。
その子は遠くにいたけれど、聞こえていたのではないかと思います。こちらをふり返りましたから。
そこから、動悸がしばらく続きました。
自分自身が、ジェンダーの捉えについて軽く考えている時期でした。
「誰でもさん付けなんて、必要だと思っても実際はなんだかおかしい」
「女の子も男の子も育てて分かったけれど、子供自身が遊ぶものは自然とジェンダー差がある」
「でも、大学時代にLGBTの講演を聞いて、無理解が辛かったという話も聞いた」
今まで見聞きしたこと、学んだことが逡巡。そのうえで、失敗だと痛感しました。
…軽く考えていたからこその、自分の失敗でした。
この後、大学のスクーリングを受けるきっかけがあり、そこで受けた生徒指導という授業の中でジェンダーについて学習しました。
興味深かったのが、その授業の中で先生が取ったアンケート。
【日常生活のなかで、ジェンダーバイアス(男性優位)を意識することはありますか】
という質問がありました。
対象は、学生から社会人まで様々な年齢層がいたからこそのバリエーション豊かな回答。
若い人ほど経験が少ない。全く感じたことがないという人も。しかし年齢が上がって、就職したり、結婚出産を経て、大変苦しむ人がいて、その方々の話を聞く同年齢の方々の頷き方がまるでヘドバン。
なんだかんだ言って結局ジェンダー差は根強くある。
そんな中で。私は。あの子に。
もっと苦しむ種のひとつを作ってしまったかもしれない。
その後、直接話す機会はなかった。何のフォローもできなかった。
なんてひどいことをしたんだろう。
出来るのは、自分が学んで
まずは自分から、周囲から少しづつ伝えて実践を増やすことだと思ってから、
関心をもつようになりました。
思ってるだけじゃアカンのは分かっているけど、具体的にどう行動したらいいのかわからない。
いきなり初対面の人に、「ジェンダーバイアス話し合おうぜ」って言えない。
でも、似たような思いの人はいて
その方からの、体験談や思いを教えてもらうことがあって、
まずは、自分の行動から変えなくてはならないな、と感じています。
けれど、けれど
「男だから」「女だから」という理由で決まっているシステムを、
どう変えていこう。
行動を変えるのは、ほんとうに、難しいですが、まずは自分の思いを話すことだと感じます。そして相手の物語を聞くこと。
よく切れる刺身包丁のように、ざくざく切り分けられる問題ではない場合も。
あまり切れないパン包丁くらいで、少し切って出てくるすこしずつこぼれるものもお皿に拾って話をすすめるくらいでも、前進ではあるのかな、と思います。